2002/10/18(金)

チェックライド(その3)

本日も朝から天気が良くありません。どうみてもOVC。こりゃ本日も飛べないなぁ。

SkylineにTELしてみますが、やっぱり本日はチェックライドは行われないみたいです。試験官からもまだ連絡がないみたいだし。午後からMTIさんがMultiの訓練をするらしいので、それに同乗させてもらうため、お昼過ぎにSkylineに行くことにします。

お昼頃になると、ここ数日とは違ってかなり天気が良くなってきました。これならチェックライドができるかも…。でももうお昼だし、試験官からも連絡がないので、試験はなしでしょう。

昼食を仕入れて13時頃Skylineに到着。するとMRT教官から「やっぱ本日チェックするそうですよ。Joeさんからさっき連絡がありました」とのこと。ひえー、やっぱやるのね(^^;)。フライトに必要なものは一応全部持ってきていたので、あとは「心の準備」をするだけです。

本日チェックを受けるのはTNKさんと私の2人ということになります。 どちらが先でも良いそうなので、ここはじゃんけんをして決めることになります。じゃんけんの結果、TNKさんが先に受験することになりました(^^;)。TNKさんはさっそく準備に取りかかりました。

昼食後Pilot Loungeで心を落ち着けていると、13:30過ぎにJoeさんが登場します。Joeさんに、TNKさんが先でその後私であること、TNKさんはもう出発準備できていることなどを伝えておきます。

14時頃、さっそくTNKさんが出発します。Good luck!

さて、私も今のうちに準備をしておきます。WXを取って、プリフライトして、いつでも出発できるようにしておきます。あとは心を落ち着けてTNKさんが帰ってくるのを待つことにします。

あ、TNKさんが帰ってきました。1時間くらいでしょうか。R/W側のベンチで見ていると、タクシーしながら…Big thumbです(^^)。やった! おめでとうございます!

さぁ、今度は私の番です。オブザーバ兼「おもり」としてMRT教官を後席に乗せ、15時過ぎに出発します。

まずはパターンの中でT/Gです。最初はShort Field Take-offせよとのこと。了解です。いつものようにR/W 27から出発! Short Field Take-offします。うん、問題なし。Normal LandingしてRight crosswind departureします。

次はアプローチです。試験官から「マニューバとアプローチどっちを先にやりたい?」と聞かれたので、アプローチを先にすることにしました。これが一番集中力がいるので、先に済ませてしまいたいからです。

いつものように上昇しつつアプローチの準備をします。ところがATISが聞こえません。ラジオのチェックをしたり、別のラジオに切り替えてもダメ。どうやらちょうどATISが切り替わるタイミングのようです。試験官に「ATISが聞こえないのでNegative numbersでATCにコンタクトすることにします。」と伝えます。あ、あついです。

改めて各種周波数をセットしてアプローチチャートをレビュー。APPにコンタクトしてCRQでのILSアプローチを要求します。いつものようにスコークをもらってレーダーコンタクト。あそうだ、今のうちにBefore landing checkをやっておきます。

とここで、試験官が片スロットルを絞ってシングルエンジンにします。おっと、来ましたね。落ち着いて各種チェックを行い、Vyseと高度を意識しつつ死んだエンジンをフェザーにします(シミュレート)。よし、ここまでは問題なし。あとはこれで無難にアプローチをこなすだけです。

LOCをインターセプトする位置まできました。GSよりもちょっと下です。LOCに乗りつつ高度を維持して、GSに乗る直前でギアを出して降下開始。パワーセットを確認しつつVSIで降下率を整えます。エアスピードも115mphくらい。よし。あとはLOCをはずさないよう細かく修正しながら降りて行きます。

ちょっとGSよりも上に行きがちだったので、微妙にピッチダウンしつつスロットルを絞ります。シングルエンジンなのでほんの少しずつ絞ります。あ、ちょっとエアスピードが上がっちゃったかな? でも許容範囲です。落ち着いて少しずつ修正します。

アウターマーカ通過。GUMPチェックを終わらせておきます。タワーからはすでにフルストップのクリアランスが出ていますが、ここで試験官が「IFRをキャンセルします。フルストップもキャンセルしてT/Gでright downwind departureします」とタワーに伝えています。あ、了解です。

DAよりもちょっと高いところでR/W確認。スロットルを徐々に絞りつつフルフラップにしてエアスピードを落とします。あとはいつものようにシングルエンジンでタッチダウン。ちょっと浮きそうになりましたが落ち着いて押さえ込みます。ふぅ。

フラップアップでこのままT/Gします。ライトクロスウィンドに入ったところで試験官が「このままcrosswind departureしましょう」と言って、タワーにもその旨伝えています。りょ、了解です。

若干雲がありますので、それを避けつつ、試験官の指示に従い上昇しつつ海側にヘディングを向けます。海の上に出たところでslow flightをするよう指示されます。ええー、ここでですか? 下はマリンレイヤでべったりです。特にリファレンスとなる目標物がないので、ヘディングを決めてslow flightします。よし、これも問題なし。

引き続きpower-off stallです。下は雲なので、これに入らないよう “minimum altitude loss” で行う必要があります。リカバ時のピッチダウンはほとんどレベルまで。エアスピードをチェックしつつ、ギアやフラップをしまってVy上昇します。ふぅ、これもうまく行った。

ここから訓練空域の方に向かいます。Escondidoの辺りまで来ると雲が途切れて下が確認できます。既に高度も十分ですのでマニューバができそうです。

下が確認できるところでsteep turnするよう言われます。Escondidoの町上空あたりでsteep turnします。よし、これもうまく行きました。

引き続きpower-on stallです。ヘイズでいつもの目標物である山が確認できませんが、これも問題なし。

というところで、ミクスチャで片エンジンを切られます。おっと、ここで来ましたね。落ち着いて各種チェックをして、トラブルシュートを行います。ところが、トラブルシュートの途中で試験官が “Engine not restored! Feather!” と言います。あ、うっ(^^;)。トラブルシュートはまだ途中ですが、すぐにフェザーにします。これは本当にします。引き続きsecuring engineをしようとしましたが、これもまた途中で “Unfeather!” と指示されます。は、はや(^^;)。チェックリストを見ながら落ち着いてアンフェザーします。ふぅ。

止めていた方のエンジンの温度が上がってきたところでクルーズに戻します。と、emergency descentの指示があります。すぐにスロットルクローズ、ギアを出しながら少しバンクさせて下を確認しつつピッチダウンで150mph! 実際には150mph出ないうちにリカバの指示がありますので通常のクルーズに戻します。ふぅ。

というところでRNMに戻るよう指示されます。ホッ。ところでヘイズがひどくてRNMどころかMt. Woodsonもわかりません。でもここはいつもの訓練空域。わずかに見える山の形とDirt stripの位置から現在位置はもうわかっています。一応ですね、ゴソゴソとチャートを取り出して「今ここにいます。RNMはここからMC 180°ですからそちらに向かいます」と試験官に説明します。

あとはいつものようにMt. Woodsonに向かいます。でもまだMt. Woodsonは見えません。あ、RNM in sight。試験官にRNMの位置を説明し、まだ見えてないですがMt. Woodsonの位置を説明しておきます。3500ftで進んで行くとうーっすらとMt. Woodsonが見えてきました。試験官にMt. Woodsonの位置を説明しておきます。今の内にbefore landing checkしておきます。

さて、最後にフルストップするよう指示されます。ここで私「single engine landingでしょうか?」と聞くと「それはシングルエンジンアプローチの時にもうやりましたね。あとshort field landing以外やり残したことはありますか?」と言われます。まぁ、おっしゃる通り(^^;)。というわけで最後はshort field landingでフルストップです。

いつもの通りパターンを飛んで、ファイナルに入ります。GUMPチェックをして、ショートファイナルで87mphまでスピードを落とします。あ、ちょっと落とし切れなかったかな? その代わりちょっとだけエイミングポイントを手前に取って、早めにパワーを絞ってエアスピードを落としつつちょっとだけドスンとタッチダウン。フラップアップでブレーキ。試験官が “Short field! Short field!” と言うので、次第にブレーキを強くしつつ最初の出口で出ます。Goodです。ふぅ。

こ、これで終わってしまいました。大きなミスはなかったですが、まだ試験官は何も言いません。ドキドキしながらタクシーして行くと、例のR/W側のベンチの辺りで弟が待っています。と、ここで試験官が “Raise your big thumb!” です。ふぅ、良かった(^^)。合格です!

Joeさん曰く「大変良くできました。スムーズな操縦でしたよ。ここの教官と訓練生は大変良いチームですね。」を頂きました。

ペーパーワークの後、恒例の写真タイムです。今回はJoeさんの方から「いつものように写真を取るんでしょう?」と言ってきてくれます(^^)。「はい、外で私の『同行カメラマン』が待っていますので。」Joeさんは「飛行機の前の方が良いでしょう?」とか言ってノリノリです(^^)。同行カメラマンに記念撮影してもらいました。

というわけでTNKさんともども無事試験に合格することができました。めでたしめでたし。


1年前にMultiの訓練を受けているとはいえ、ほとんどその感触が残っていない状態から始めて、しかも1年前に比べてIFR部分を余計にやらなくてはならず、とても不安だった、というのが正直な感想です。それでも訓練を始めて(再開して) 9日目のチェックで無事Commercial Pilot、Airplane Single & Multi-Engine Land、Instrument Airplaneとなることができました(^^)。これもひとえにMRT教官のご指導の賜物であり、Skylineのスタッフ、訓練生仲間、皆様の暖かい応援のおかげです。毎度のことながら本当にありがとうございました。また、日本から私のことを暖かくサポートしてくれたNRKに、これまた毎度のことながら改めて感謝します(^^)。

おしまい(「Instrument Ratingt編」につづく)

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