2002/07/19(金)

チェックライド

つひにこの日が来てしまいました。緊張してまーす。落ち着かないです。次にここに帰って来る時には果たしてどんな結果が出ているのか。それでは…行って来ます! (ビッ)。

本日はあまり天気が良くありません。朝6:30の時点でRNMの天気は、

00000KT 1 3/4SM BR OVC001 15/15

です。実際にはミストというより霧って感じです。まぁこれも10時くらいには好転するはずです。でもOKBもCRQもベッタベタで思いっきしIMCです。これだとチェックはできないかもしれません。うーん。

朝7時にSkylineに行きます。本日はNRKも一緒に早起きして来てくれます。

oralに必要なものなどを取り出して机の上に並べたりして準備します。機体も既にプリフライトしておきます。

そうこうしているうちに8時になりました。試験官が来るのを待ちますが、こういう時間が一番イヤですよね(^^;)。でも全然来ません。あれぇ、どうしちゃったのかな? 教官曰く「ひょっとして9時からと勘違いしているかも」とのこと。9時になっても来ないようなら連絡してみるとのこと。

と、ついに試験官登場です。8:30くらいでしょうか。あードキドキするぅ(^^;)。

挨拶をして、別棟の教室に入ります。早速始まるのかと思いきや、「ちょっと時間を下さい」とか言って携帯で電話したり、教官と何やら話をしていたりして、ちっとも始まりません。まぁこのくらいの方が逆にリラックスできて良いのですが(^^;)。

そして、世間話でもしつつoralが始まります。この試験官はPTSにのっとって順番にきちんと行うそうですが、まさにその通り、IDの確認、application formの確認、ログブックの確認、と細かく行います。また、「何かスポーツをやっていますか?」と聞かれたので「バスケットボールをやってました」というと「自分は今日はバスケットボールの審判です。私のやり方は、ルールにのっとって判定するというとてもシンプルなものです」とのこと。

機体のメンテナンスレコードで整備状況を説明させられます。annual/100h inspection、pitot-static/transponder、AD。ここで1つのAD (赤)について、100時間毎に点検しなければならない項目が、現在の機体のタコメータだとあと0.33時間しかマージンがないことが発覚します。うっ。「この状態で飛んでも良いと思いますか?」と聞かれますので「だめです」と答えると、「その通り。ちょっと教官と相談しましょう」と言ってSZK教官を呼びに行っちゃいます。

結局、メンテナンスの人が9時に来るので、その時にさくっと点検してもらってサインをもらえば良いみたいです。その間oralを続けます。

instrument ratingのcurrencyのことから始まり、良くありがちな質問に答えて行きます。特に問題ないですが、いくつかの質問の後、試験官曰く「シンプルに覚えてシンプルに答えるのが一番ですよ。例えばVORチェックやalternateのファイルについて、あなたの答えは正解ですが、もっとシンプルに覚えておくと良いですよ」とのこと。例えばですね、

  • VORチェック: bearing errorの許容範囲は、VOR test signalを使った場合は4°、ground check pointを使った場合は4°、airbone check pointを使った場合は6°、dual VORを使った場合は4°
  • alternate: 行きたい空港にIAP (instrument approach procedure)が定められている場合、”1-2-3″ が満たされない時はファイルする必要がある。行きたい空港にIAPが定められていない場合、常にファイルする必要がある。

と答えるより、

  • VORチェック: bearing errorの許容範囲は「全て」4°以内。「但し」airborne check pointを使う場合だけ6°
  • alternate: 「常に」ファイルが必要。「但し」行きたい空港にIAPが定められていて、”1-2-3″ であればファイルの必要なし。

というように覚える(答える)と「シンプル」だそうです。ちなみに “1-2-3” とは、行きたい空港のETAの±「1時間」の天気予報が、シーリング「2000ft」以上かつ視程が「3sm」以上ってことです。この試験官は何しろ「シンプル」を連発します(^^)。

次に、宿題として出されていた、SBPへのクロカンプランについて説明します。ルート、高度についてなど。全部説明する前におしまいですが、今度はこのプランを使って、実際にクリアランスを取るところから「シナリオ」としてやってみるようです。

試験官がクリアランスを言います。それを書き取ってリードバックします。で、「こういうクリアランスが出ている状態でIMCの中RNMを飛び立って、まだ300ft AGLにいる時にcommunication lostしたらどうする?」ほほぅ、かなり実践的な質問ですね。こういう時でもIFRのルールにのっとって目的地まで行って良いのですが、その手順や期待されるアプローチの種類などについての質問に答えます。これはOKでした。

そうしたら、もう宿題のプランは使わないで、別のシナリオを想定するとのこと。試験官がクリアランスを言います。

Cleared to SMO, after departure, turn right heading 300, radar vector to OCN, V23, LAX VOR, LAX radial 341, ELMOO, direct, 3000, 4000 after 10min, frequency 127.3, squawk 5222.

お、SMOへ行くという想定のようです。しかもこのルート、以前のプチIFR訓練で行ったルートですよ。これはありがたい。そうじゃなければELMOOなんていうフィックスの名前なんかわかんないですよ。あぁ、やってて良かった(^^)。

「この時、alternateとしてVNYをファイルしてあったとする。SMOにアプローチして来たが視程が悪くて着陸できなかったのでmissed approachしたら、直後にcommnication lostした。さぁどうする?」

うっ、どうするんだっけ? 確かalternateまで行って良かったはずなので、それを説明します。ルートは? 高度は? その度、エンルートチャートやSMO/VNYのアプローチチャートを参照しながら説明します。ふぅ。

これで終わりかと思いきや、「では、SMOでmissed approachした後、ATCから『レーダーベクタでVNYに誘導する』という指示があった直後にcommunication lostしたらどうする? もちろんIMCで」うっ? さっきのと何が違うのか? VNY VORもVNYでのILSアプローチのIAFの一つなので、ここへ向かうのが筋でしょうが、その高度が問題みたいです。VNY VORからのアプローチだと6000ftの高度が規定されています。ですから、SMOのmissed approach手順後のホールディングフィックスであるSADDEから、6000ftでVNY VORに向かうってのは…だめ?

「SMOやVNYのアプローチチャート、エンルートチャートを良く調べて、どういう高度でVNY VORに向かえば良いのか考えてみて下さい」と言われて時間を与えられます。その間、試験官は外に出て携帯で電話したり試験官と話をしています。

ええー?? 一体どんな高度を取ればいいんだ? せいせい悩んだ後、試験官が戻って来てヒントをくれます。

試験官: SMOのアプローチチャートに書いてあることを端から全部説明してみて下さい。
KH: えーと、ATISの周波数がこれ、アプローチの周波数がこれ、タワーの周波数がこれ、…(途中略)…この図はMSAを規定していて、北
側方面に飛ぶ時は7700ftで…
試験官: MSAとは何ですか?
KH: Minimum Safe Altitudeです。あるフィックス、この場合はSMO VORですが、それを中心にして半径25nm以内は、ここに規定された以上の高度で飛べば、1000ft obstacle clearanceが保証されるという
ものです…はっ!

試験官は「してやったり」というような笑みを浮かべています。そうっか! VNY VORはSMOから25nm以内にあります。ってことは、上記MSAで規定されている7700ft以上でVNY VORに向かえば良いのか! 試験官にそう言うと「その通りです」。

結局この問題だけで1時間くらい引っかかっていました(^^;)。こういう視点で考えたことがなかったので、大変勉強になっちゃいました(^^)。

というところでoralはおしまいのようです。ふぅ、ちょっとほっとしました。細かいごちゃごちゃした質問よりも、ずっと実践的な質問が多かったですので、そんなに大変ということもなかったです。

さてフライトの方ですが、天気が悪い場合、いつもとは違う場所でアプローチということも考えられますが、もしその場合だったら本日は飛ばないことにしたいです。でもふと外を見るといつものRamonaの青空です。もう11時半くらいだし(^^;)。

試験官の指示は「OKBでVORアプローチ、CRQでILSとLOCアプローチ、LOCアプローチはpartialでやりましょうか。その後マニューバとしてsteep turnとunusual attitude、DME arcをやります。予めIFRクリアランスを取って、時間通りに出発して下さい。PICはあなたなので、手順はお任せします」です。

あうっ、いつも訓練でやっているような「上空でIFRクリアランスを取る」というパターンじゃないのか。仕方ないです。TRACONにTELしてIFRクリアランスを取れば良いですね。その前にIFRのフライトプランをファイルしてと。

ところがですね、後でわかったのですが、IFRのフライトプランはファイルしなくて良かったんですね。このくらいの距離だと、TECルートはないですが、いわゆるtower enrouteなのでフライトプランのファイルは不要なのでした(^^;)。

TRACONにTELしてクリアランスを取ります。予想してた通り “direct to OCN” です。まぁ当たり前だわな(^^;)。出発まで15分もらえるようリクエストするとそれが通って、後20分くらいでvalid timeです。でもvoid timeまでが3分しかないので、ピンポイントで出発する必要があります。

さぁ出発です。ランナップエリアで待機してvalid timeに出発。DEPにコンタクトするとすぐレーダーベクタです。

今のうちにOKBでのVORアプローチの準備をしておきます。ASOS聞いて、altimeter合わせて、COM2にOKBのCTAFをセットして、NAV1はOCNにセットされていることを確認してアイデントして、NAV1はOKBでのmissed approachに備えてMZBの344°ラジアルにセットしてアイデント、DMEはOCNにセットしてアイデント、マーカーは必要なし。before landingチェック。うん、なかなかスムーズです。

APPの指示に従い、3000ftに高度を落とします。そろそろOCN VOR近くです。VORアプローチのクリアランスが出ました。ここからだとparallel entryです。

VOR通過、ヘディング270°、タイマスタート、NAV1のコースを090°へ、降下開始。高度が2500ftになったところでレベル。1分後、左旋回でヘディング045°へ、CDIが動き始めたら速やかにヘディング090°にしてコースに乗ります。おぉ、バッチリです(^^)。

そろそろVOR通過…と思ったら突然試験官がAIとHIにカバーをしてpartialにします。あ、うっ(^^;)。最初LOCアプローチでpartialって言っていたのに(^^;)。ちょっとあつくなります。

VOR通過、ヘディング096°、タイマスタート、NAV1のコースを096°へ、降下開始。コンパスが揺れていて正確なヘディングがわかりません。でもCDIは左にずれている。ちょっとだけヘディングを左にずらして…と、コンパスの振れが落ち着いたところでコンパスは060°くらいを指しています。あ、やべ! こりゃコレクション入れすぎだ。急いでヘディングを右に戻します。その間もエアスピードを一定に保ちつつ、降下率も800fpmくらいで保つようにします。そうこうしているうちに、CDIがスーっとセンターに寄って来て、行き過ぎて、一番右端へ。試験官が一言 “Hmm, no good, full deflection…”

わちゃー、やってもうた!? PTSでは「CDIはfull deflectionでなければ良い」と規定されていますが、思いっきりfullぢゃないですか。もしやこれでチェックは終わり? と思ったのですが、どうやら続きます。

OKBでのmissed approachの手順に従って上昇します。次はCRQでのILSアプローチです。レーダーベクタされつつ準備を開始します。

ATIS聞いて、COM2にタワーの周波数をセット、NAV1はLOCにセットしてアイデント、NAV2はMZBの002°にセット、DMEはJLIにセットしてアイデント、マーカーON。

APPからILSアプローチのクリアランスが出ました。いつものようにヘディング210°からLOCをインターセプトして降下開始。うん、これは調子良いです。LOCもあんまりずれないし、GSに「ビターッ」と乗っています。OM通過でタワーにコンタクト、missed approach後はヘディング180°で3000ftまで上昇する指示が出ます。これもいつもと一緒(^^)。DHでmissed approach。ふぅ。

ここで、IFRを一旦キャンセルして、JLIの方に向かいます。マニューバをやるみたいです。

まずはDMEアーク。JLI VORにdirectした状態で、17nmの左回りアークを飛べと指示されます。DMEアークは久しぶりですが、落ち着いて。DME 17.5で右旋回開始。ヘディングを80°だけ変えてリファレンスとなるコースを10°小さい方へ。うん、ビターっと17.0を保っています。CDIセンターでヘディングを左へ10°変えて…DMEが17.1になったので、あと5°だけ左に。コースを10°小さいほうへ。CDIセンターでヘディングを左へ10°…いいっすね。DMEは16.9~17.1の範囲をずっと保っています。もちろんその間も高度はビターっと一定です。ここで指示されたヘディングにして、DMEアークはおしまいです。ふぅ。

次はunusual attitude。これをpartialでやります。これは特に問題なし。ふぅ。

さて、改めてCRQでのLOCアプローチです。CRQ方面に向かいつつ準備開始。COM2にタワーの周波数をセット、NAV1/NAV2/DMEを改めてセットしてアイデント、ATISも一応聞いておきます。さっきまでのと同じ “A” です。ところでこのATISに吹き込んでいる人、「あーーーるふぁ」(「ふぁ」のところで語尾を上げる)というようにわざと発音しています。いつだったか “H” を「ほーーーてる」(やっぱ「てる」のところで語尾を上げる)というのも聞いたことがありますが、こういう一種遊び心ってんですか、そういうのがあるところなんか「アメリカ」って感じです(^^;)。

ところで、APPはかなり忙しいようなので、VFRでアプローチすることにします。試験官がタワーにコンタクトして「VFRでストレートインする」許可を取ってくれます。その後は、試験官の指示をATCからの指示だと想定して、ヘディングや高度を合わせて行きます。

試験官から “cleared for LOC approach” のクリアランス(?)が出ました(^^)。LOCをインターセプトして、ESCON通過後降下開始。うんうん、これも調子良いです。LOCなんかほとんどずれないです。OM前で2300ftでレベル。OM通過後、タワーから “cleared to land R/W 24” が出ます。あれっ? このままフルストップするのか? とりあえずタワーにはリードバックしておいて試験官に確認します。試験官は「そう」と言っていますが、なにやら考えているような感じ…

980ftまで徐々に高度を落として行きます。そろそろ980ftって頃になると試験官がタワーに「やっぱフルストップしないで、このままright downwindに入ってeastboundします」と言っています。なにょー? 試験官が “I have” と言ってショートファイナルからガバっと右旋回して上昇してright downwindに入ります。うげっ、そんなのあり(^^;)? 恐るべし、このおっちゃん。

フードを取るよう指示されて、後はVFRでRNMに入ります。ふぅ、ちょっとほっとします。でも「VORアプローチだけがno goodでしたねぇ」みたいなことを言っています。あー…

RNM到着後、ブリーフィングです。

  • VORアプローチ(partial)はCDIがfull deflectionしてしまったのでno good
  • それ以外はvery good! ILS/LOCアプローチもvery good! DMEアークもexcellent! unusual attitudeは何も言うことはない!
  • 全般的にprecise controlですばらしい! ATCもgreat! clear Englishだ!

と、VORアプローチを除いてやけに褒めちぎってくれます(^^;)。でも「判定」はルール通り「不合格」です。だよなー(;_;)。

再チェックは7/23 (火)に行うことになりました。この日はMorgan君(高校生)のチェックの日なので、そのついでにVORアプローチだけやればOKとのこと。試験官曰く「再チェックフィーは$75/hなので、安くすみますよ。さくっと飛んでOKBでVORアプローチして帰ってくればratingを書いてあげます。とてもシンプルでしょ!」最後まで「シンプル」づくしです。

というわけで、残念ながら一発合格とはなりませんでした。でも、既にoralもその他のマニューバも終わっているわけで、かなり気が楽です。また、再チェックが1時間とすると、

・チェックを2日間に分けてゆっくり行った。
・チェックフィーがたまたま$425だった($350 + $75)。

とポジティブに考えれば良いですね(^^)。

というわけで、本日はこれまで!

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