2002/09/20(金)

チェックライド

つひにこの日が来てしまいました。緊張してまーす。落ち着かないです。次にここに帰って来る時には果たしてどんな結果が出ているのか。それでは…行って来ます! (ビッ)。

本日は朝6時に起きる予定だったのですが、一度起きたにもかかわらずまた寝てしまい、改めて7時頃起きます(^^;)。我ながら余裕がありますねぇ。

さて、WXを取ってNAV Logを埋めます。takeoff/landing distanceも計算しておきます。あとweight & balanceの着陸時のCGも計算しておきます。これで準備完了。軽く朝食を取ってさて出発。

8時ちょい過ぎにSkylineに行きます。この時間に合わせて既にMRT教官が来てオフィスを開けておいてくれます。ありがたや。ちなみにSZK教官は本日は都合によりお休みです。ですから試験は基本的には全て自分で受けますが、なにかあったらMRT教官さんが対応してくれます。

別棟の教室に諸々の書類などを用意して試験官が来るのを待ちます。アポは9時ですが、この試験官はだいたい30分遅れてやって来ます。これも受験生に余裕を与えるためなんでしょう(^^;)。

しばらく待っていると試験官がやって来ました。instrument受けた時と同じJoseph A. Leoneさん(通称Joeさん)です。ぴったり30分遅れです(^^;)。簡単に挨拶して、別棟の教室で試験開始です。

application formやログブック、機体のメンテナンスレコードなどを確認しつつoralが始まります。writtenの結果を見せたら「スコア100って、本当かい? 満点を取った人なんて初めて見たよ!」などと驚いています(^^;)。いくらなんでも初めてってことは無いと思いますが(^^;)。

おなじみのcommercial pilotのprivilegeやcurrencyのことから始まります。ちょっと引っかかることもありますが、特に問題なし。後は機体のメンテナンスやら、inoperative instrument、air space、airport light、aeromedical factorなど良くありがちな質問に答えて行きます。light gunについて質問されちょっと焦りましたが、順調です(^^)。

クロカンのプランについてWXと絡めて説明します。基本的にはNAV Logを提示して、聞かれたことに答えるだけです。WXもDUATSで取ったものをプリントアウトしておいたので、それで説明します。「NAV Logはクロカンの基本です。これをみればどのくらい準備してきたのかわかります。きちんと丁寧にNAV Logが作ってあってすばらしい!」とお褒めの言葉を頂戴します(^^;)。

クロカンに関して、その他チャート上で各種エアスペースやチャート上のいろんな印などについて次から次に質問に答えます。我ながらなんだか良いテンポです。試験官も “very good!” とか “well-done!” を連発しています。いい感じ(^^;)。

「とても良く勉強していますね! 聞いているこっちも大変気持ち良いです。とてもすばらしい出来です! じゃあ、今からプリフライトしてきて下さい。出発の準備が出来たら呼びに来て下さいね。」ホッ! これでoralは無事終了です。これで一段落です。

プリフライトの前に、フライトに関してどういうことをやるのか簡単に説明を受けます。他のトラフィックなどの都合でフライト中に別の指示をするかもしれないのでそのあたりは柔軟に対処せよ、とのこと。承知いたしました。

プリフライトして試験官を呼びに行きます。さて後はヘマをしないよういつものようにフライトするだけです。試験官も「本日は後ろにお客さんが乗っていると思ってフライトして下さい。PICはあなたです。PTSにある通り、”smooth and acurate” でお願いしますよ!」いつものようにR/W 27に向かいます。

まずはパターン内で各種takeoff/landingをします。まずshort field takeoffで出発! 問題なしです。パターンを回ってshort field landing。バッチリ決まりました。試験官からstop-and-goでも良いと言われていますが、自分の判断でタクシーバックすることにします。

次にsoft field takeoff。パターンを回ってsoft field landing。これもバッチリじゃないですか(^^)。

T/Gして180°power-off approachします。本日の風はいつもと変わらないので、いつものように下水処理場を目安にベースターン。エアスピードもバッチリ79ktを保っています。高度に余裕があるので、ファイナルターンの前にフラップ25°、ファイナルターンでフルフラップにします。後はそのままタッチダウン。これがまた通常の着陸と全く同じ位置にピッタリと決まります。すんばらしいです(^^)。

ところで、このパターンを回っている最中、ダウンウィンドでbefore landing checkをしたんですが、試験官はその度親指を立てて “gooood!” と言ってくれます(^^;)。これが毎回同じなのでだんだんおかしくなってきました(^^;)。

もう一度T/Gしてnormal landing…と思いきや、ショートファイナルでゴーアラウンドの指示が出ます(^^;)。ゴーアラウンドして訓練空域に向かいます。

いつものように訓練空域に向かって上昇して行くと「では、時間を節約するために、先に8 on pylonをしましょう」と指示されます。場所は私に任されていますので、いつものdirt stripに向かうこと、風向きを考慮してどういうエントリをするのか、pivotal altitudeとからめてどういう高度で行うのか、などについて説明しながらdirt stripに3000ftで向かいます。今のうちにbefore landing checkも終わらせておきます。

dirt stripに到着。目標物を宣言して、8 on pylonを行います。うーん、いい感じ(^^)。でも試験官はあんまり目標物と翼端の関係を見ていません(^^;)。たぶんチラチラとは見ていると思いますが、これも受験生をリラックスさせるためでしょう。無事終了。

上昇しつつ、次はsteep turnです。これもどこでやるか、高度はどうするか、など私に任されています。dirt stripよりもうちょっと北西のいつもの訓練空域で4000ftで行うことにします。before landing check、clearing turn…としようとすると試験官が “You’re clear” と言ってくれます。これも時間を節約するためだそうです。

ではsteep turn。これがまた完璧に決まりました。VSIなんか微塵も動きません(^^)。ちなみにですね、PTSによるとsteep turnとsteep spiralは「どちらか試験官が指示した方をやる」ことになっているそうです。今回はsteep turnをやったので、steep spiralはやりません。

次にchandelles。これもやり方は任されていますので、目標物を宣言して開始します。これもまたバッチリです。またまたちなみにですね、chandellesとlazy 8は「どちらか、もしくは両方を試験官の指示によって行う」ことになっているそうです。今回はlazy 8は行わないようです(^^;)。

次にslow flight。これも目標物を宣言して開始。全く問題なし。ヘディングも全くずれなし。

次にpower-off stall。これも時間節約のため、上記slow flightの状態から引き続き行います。75ktにして100ft降下、ストール、リカバリ。か、完璧です!

Vy上昇して高度を戻し、power-on stallを行います。これも完璧(^^)。

ここで試験官が「では私をHemetに連れて行って下さい」とdiversionの指示をします。チャート上で現在位置を説明して、Hemetまでのヘディング、距離、時間を計算します。この時サークルしながらやろうとしたのですが、「もうヘディングがわかっているのだからそちらに向かいながらやって良いですよ」と指示されます。Hemetに向かいながら距離や時間を計算して説明します。高度を6500ftに上げることを宣言します。

と、エンジンファイヤーです(^^;)。試験官が「うわー、炎がー出てるー、熱いよー!」と小芝居をしてくれます。あ、うっ(^^;)。エンジンファイヤーの手順でエンジンカットをシミュレートします。Arrowはその後power-off landingすることになっているので、best glide speedにすると、「まだ炎が出ているよー!」と言って、こういう時はemergency descentすべし、と教えてくれます。Arrowにはemergency descentの手順は規定されていないのですが、ギアを出してピッチダウンして120ktくらいでダーっと降ります。そうすると「ふぅ、やっと炎が消えた!」とまだ小芝居しています(^^;)。

と思ったらエンジンフェイリャーです(^^;)。あ、うっ(^^;)。best glide speedにしつつ、えーと、このあたりは住宅地だから…どこに降りよう? French Valleyが見えているけど、こりゃ届かないな。うーん、広めの畑(?)があるので、そこに降りることにします。試験官が「あのフリーウェイはどうですか?」と聞いてくるので「フリーウェイは障害物もあるし、この時間はトラフィックが多いので、あまり良くないと思います。それよりもあの広い畑に降りる方が安全だと思いますのであそこに向かいます」と説明します。”very good!” です(^^)。

エンジンリストアのチェックを行いながら降下して行きます。declarationをやったところで「エンジンが回復した」と想定しておしまいです。やっぱこのあたりは住宅地なので、あんまり高度を下げられないですからね。

「良くできました! 大変すばらしい! ではこれからFrench Valleyに向かって下さい。そこでnormal landingします」と指示されます。おぉ、ひょっとしてこれで終わりかな? それにしてもFrench Valleyとは(^^;)。せっかくここまで来たのだからT/Gして帰るのかな? と思っていたら「フルストップして下さい」ときます。しょ、承知いたしました。

CTAFをセットしてパターン高度まで降下して行きます。R/Wは18ですね。このあたりは何回かFrench Valleyに行った経験が生きていてとてもスムーズです。ラジオも全く問題なし。normal landingも問題なし。

で、タクシーバックしようとすると「transient parkingに行って止めて下さい」と指示されます。えっ? 本当に止めるのですか? どうやらですね、ここのカフェで一休みしようということらしいです(^^;)。

transientに止めてエンジンシャットダウン。ふぅ。とここで「ではカフェに行きましょう。ログブックを持ってきて下さい」とのこと。おぉ、てことは…(^^;)。カフェに向かって歩きながら試験官が「私はcommercial single-engine-seaも持っているんですよ!」と言うので「本当ですか? すごいですね」と答えると「あなたもcommercial pilotじゃないですか!」とのこと(^^)。

カフェの席に着くと「とてもよく出来ました! おめでとう!」と握手とともにテンポラリを渡してくれます。やったー! ふぅ(^^)。ログブックにもサインを頂きました。

ところでこのテンポラリ、既に私の名前やら住所やらがちゃんと書いてあります。はて、いつの間に書いたんだろう? 試験官に聞くと「さて、いつでしょう?」といたずらっぽく笑っています。たぶんですね、oralが終わってプリフライトしている時に既に書いていたようです。そこしか書く時間がないですから。なかなか粋なことをしてくれますね(^^;)。

カフェで一休みかと思いきや昼食を取ろうということになりました。私はVegie Sandwichを注文します。試験官は「本日のスペシャル」であるタコスを注文しています。豆腐や醤油の原料である大豆がWisconsin州で取れるとか、それが日本にも輸出されているとか、そんな世間話をしながら食事します。

食事が終わると、試験官が「では先に行ってプリフライトして下さい。ここのお勘定は払っておきます」だって! なんとまぁ粋な(^^;)。

さてRNMに帰りましょう。エンジンスタート後、試験官がタクシーしてくれます。その間に各種周波数セットなどを私が行います。これも時間節約のためだそうで。ASOS聞いてCTAFをセットしてチャートで帰りのコースを確認します。Homeland VORの152°のコースに乗れば良さそうです。

R/W 18から出発しますが、ちょっと右からのクロスウィンドです。試験官がクロスウィンドのデモを見せてくれます。その後も試験官が操縦し、時間節約のため3500ftでRNMに向かいます。私はチャートで3500ftで地形的に問題ないことを確認したり、OCN VORを使って現在位置を特定することを行いました。Mt. Woodsonの位置を教えてあげたり。あくまでPICは私ですから(^^)。

RNMのダウンウィンドで “You have!” です(^^;)。いつものようにタッチダウン。ふぅ。これでおしまい。めでたしめでたし。

commercialをやる! と決めてから、writtenに1週間、その後ちょっと間を置いて、フライト訓練に2週間で無事commercial pilotとなることが出来ました。これもひとえにSZK教官のご指導の賜物であり、Skylineのスタッフ、訓練生仲間、皆様の暖かい応援のおかげです。ありがとうございました。また、日本にいつつも私のことを暖かくサポートしてくれたNRKに改めて感謝します(^^)。

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