2002/06/19(水)

ILSアプローチ・VORアプローチ

本日は上空にcirrusが出ています。CRQのATISやOKBのASOSをTELで聞いてみると、FEW013とかOVC014です。マリンレイヤがちょっとだけ張り出しているようですが、基本的には良い天気です。

さて本日はCRQでILSアプローチを2回、OKBでVORアプローチを1回の予定です。さっきATISをTELで聞いた時にはCRQは “ILS Rwy 24 in use” でしたがNOTAMで “Glide slope out of service until 2300Z” が出ていました。我々の出発時間は14:30 (2130Z)なので、ちょうどぶつかります。そうであればCRQではLOCアプローチすることになりますが、出発直前に再度ATISをTELで聞いてみると(教官が)、もうそのNOTAMはなくなっていました。というわけで予定通りILSアプローチすることにします。

本日はやけにfireの飛行機が飛びまくっています。なんでも東の山の方で山火事が発生しているからとのこと。よーく見ると東の方に煙らしきものが見えるような気がしないでもないような…。というわけでSkylineでもT/G訓練は控えるようにしています(というか、実質できない)。我々も、ランナップをタクシーウェイに入る前に済ますなど、fireの邪魔をしないようにします(伏線)。

ところで本日の機体は67Pだったのですが、エンジンがなかなかかかりません。おかしいなぁと思っていたら、あれっ? ブーストポンプが動いていなんじゃないでしょうか? 改めてスイッチを入れ直してみますがやっぱ動いてなさそうです。教官がエンジンカバーを開けて接触などを確かめてみると、お、今度は動きました(^^;)。エンジンも無事かかりました。

さてR/W 27からright crosswind departureで出発。上昇中に気がついたのですが、HIの指示がcompassにくらべてちょっとずれます。suction gaugeはちゃんと規定の値を指しているのでちょっと様子を見ることにします。

4000ftまで上がってCRQでのILSアプローチの準備をします。ATIS聞いて、各種周波数合わせて、アプローチのレビューをして。まだまだスムーズに行くというわけには行きませんがなんとかこなします。

APPにコンタクトしてCRQでのILSアプローチを2回とOKBでのVORアプローチを1回リクエストします。今日はそんなにこの周波数が混んでいなかったので、落ち着いて出来ました。

CRQまでのIFRクリアランスが出ました。指示されたヘディングと高度で飛びます。このあたりは段々慣れてきました。それにしてもHIの指示がちょっとずれすぎます。ヘディングはほとんどcompassをメインにして、ちょくちょくHIを修正してやらないとダメですねぇ(^^;)。もうほとんどヘディングを変えるたびに修正が必要なくらいです(^^;)。

APPからILS Rwy 24アプローチのクリアランスが下りたのでLOCをつかまえに行きます。この時、高度を修正するのに気を取られていたら、LOCを行き過ぎそうになっちゃいました。いかんいかん(^^;)。LOCに乗ったらこれを維持しつつ、降下開始。

アウターマーカ近くに来るとGSにちょうど乗ることになります。まず1回目は教官の補助の元、ILSアプローチします。LOCのトラッキングはもう何回もやりましたが、GSに乗るってのはこれが初めてです(以前にプチIFR訓練ではやりましたが、そんなに厳密にやったわけではなかった)。

GSに積極的に乗るためには「高度はピッチで、エアスピードはパワーで」となって、VFRで見ながら降りる時とはピッチとパワーの役割が逆になります。といっても、ピッチとパワーは元々お互いに依存関係があるので、どっちかをいぢればもう片方もいぢる必要があります。ですから、どっちに意識を重点的に置くか、ということであって、厳密に言うと今までの「高度はパワーで、エアスピードはピッチで」と全く逆、というわけでもありません(^^)。例えば、GSより低い時はわずかにピッチアップして積極的に高度を修正しつつ、それとほぼ同時にエアスピードを一定に保つようにパワーをちょっと足してやる、ということになります。

GSに乗るのは思ったより大変ではないです。もちろん、同時にLOCにも乗っていなければならないので、かなりCPUパワーを使いますが、ある程度一定の降下率を保っていれば、そんなに大きくずれることはないです。ちょっと変化した時にちょっとだけ修正してやればちゃんと乗り続けることができます(^^)。むしろLOCをトラッキングする方がよりシビアに感じます。

DH (Decision Height、約200ft AGL)でR/Wを確認します。おぉ、ぴったりショートファイナルにいます(^^)。ここでmissed approach。パワー、ピッチアップ、タワーの指示通りヘディング180°、3000ftまで上昇します。

DEPにコンタクトして、レーダーベクタで再びILSアプローチを開始する位置まで持って行ってもらいます。

2回目は自分だけで機体をコントロールします。LOCをつかまえて降下開始。2300ftでレベルにしてGSが下がってくるのを待ちます。アウターマーカ通過のあたりでちょうどGSが降りてきたので、それに合わせて降下開始。降下率は大体700fpmくらいでしょうか。GSにはいい感じで乗っています(^^)。よし、このままの降下率を保って、LOCに対しても少しずつ細かく修正して…なかなか良い感じです。

DHでR/W確認。ちゃんとショートファイナルにいます(^^)。published missed approachするよう指示がありましたので、それに従ってR/Wヘディングで上昇。DEPにコンタクトすると、今度はOKBでのVORアプローチのためにレーダーベクタしてくれるようです。

そうだ、今のうちにNAV1をOCNにセットしないと(^^;)。CDIをセンターにして自分の位置を把握しておきます。OKBのASOSを聞くとOVC014。これはactual IFRになりますね。何回かレーダベクタされてOCN VORの近くまで来ました。ここでAPPからVOR-Aアプローチのクリアランスが下りました。

ちょっと外を見ると完全にOVCです。OCN VOR通過後、規定されているホールディングパターンを使ってcourse reversalします。この位置からだとdirect entryとなります。右旋回でぐるーーっとヘディングを270°へ。ここから1分outboundして、再び右旋回でヘディングを090°へ。あっと、コースを090にしておかなきゃ(^^;)。

ここでCDIを見ると、なんだかやけにコースから外れています。CDIは振り切っているようです。あれあれ、全然北側に来ちゃったようです。そんなに南風強かったかなぁ、と思いつつ、相変わらずかなりずれるHIを修正しつつ、compassでヘディングを確認しつつ、コースに乗り直そうとします。

でも、それにしても全然CDIが動きません。ここで教官とともに「なんだかおかしいですよねぇ」という話をしつつ、教官が周波数を確認したりIDを確認したりします。OBSを回して現在位置を探ろうとつまみを回したとたん、なんとCDIがスーっと動き出して、フラグもfromにパタンと振れました。あれっ? 今度はやけに南に来ちゃったような指示です。CDIが引っかかっていたかなにかでしょうか。

あわわ、こりゃいかん。もう降下ポイントを過ぎています。速やかに降下を開始。降下率を大きめにとりつつ、096°コースに乗り直します。雲はすぐそこに迫っています。まだコースは若干ずれていますが、もうすぐ乗り直せますので、このままアプローチを継続します。

ぱふっ。雲に入りました。うわ、こりゃまさにIMC! 096°のコースにほぼ乗りました。これでひとまず安心です。アプローチを継続すると、スーっと雲が晴れてうっすらと下が見えてきました…というところでOKB in sight! これで本当はcircle to landで下りられるわけですね。まさに教科書通りのシチュエーション(^^)。我々はここからmissed approachします。パワー、ピッチ、positive rateを確認してヘディングを030°へ。

ここで、OCN VORの083°のラジアルに乗るので、素早くコースをセットし直さなければなりません。あー、いかんいかん、ちょっとビハインド(^^;)。

このコースを維持しつつDEPにmissed approachを報告します。「この後どうするか?」と聞かれますので、VFRでRNMに帰る旨を伝えます(教官が)。そういえば、私が最初にIFRクリアランスもらう時、OKBでのVORアプローチまでしか要求しませんでした。最初から「その後VFRでRNMに帰る」と要求しておけば良かったわけですね(^^;)。というわけでIFRをキャンセルします。今回もAPPからVFR advisoryをもらいつつRNMに帰ることにします。

途中何回かトラフィックについての情報をもらいますが、中には「6時の方向に」というものがあって「一体、真後ろのトラフィックをどう確認すればいいっちゅーんじゃい」と心の中で突っ込んでしまいましたが(^^;)、これは、現在のグランドトラックに対して「6時」ということで、ひょっとしたらヘディングによっては斜め後ろに見えるかもしれない、見えないまでも「後ろにトラフィックがいる」ということを参考までに教えてくれている、ということのようです。

というわけでRNMの近くまで来ました。ところが例のfire関係のトラフィックがやけにアクティブです。まだ山火事が続いているようです。Mt. Woodson近くに来たら、東方面から2機360アプローチしてくるのが見えます。1機目は確実に我々よりも先にパターンに入りますが、もう1機は微妙です。もし我々が先に入ったとしても、確実に追いつかれそうです。何せその2機目はDC-4というでっかい4発のやつですから(^^;)。

ここで360してセパレーションを取ることにします。そうこうしているうちにSkylineのもう1機も我々の後ろに迫って来ました(伏線)。

よし、これでセパレーションはOKです。先行するDC-4に引き続いてdownwindに入ります。ここでラジオでCherokeeがなんたらって言っているfireの声らしきものが聞こえます。あれ? DC-4の後ろからやって来た別のfire関係のトラフィックと後ろのSkylineのCherokeeが近づいちゃったとかなんとか…。まぁ、ちょっと気にしつつ、我々は我々で降りることにします。先行するのが大型機なので、wake turbulenceに気をつける意味で、いつもより高めにアプローチして、いつもより奥にタッチダウンすることにします。

タッチダウンすると、後ろから来ているはずのSkylineの機体がゴーアラウンドしてます。あれあれ? なんかまずかったかな?

Skylineの方にタクシーして行くと、fireの基地の方から黄色い車(いかにも空港内を移動するために乗るようなやつ)がこっちにやって来ます。その車も我々に引き続いてSkylineまで来ました。ここで教官が「まずいなぁ」と言って、すぐに機体から飛び降りてその車から降りて来たいかにも「怒っている」人と話し始めます。なんと怒鳴り合いになってます(;_;)。

なんでもその人は空港の副マネージャ(?)だとかで、fireから「2機のCherokeeとぶつかりそうになった」ということで苦情があったとかで、抗議にきたとかなんとか。教官は「少なくとも自分の機体はちゃんとセパレーションを取ったし、後ろから来るfireに干渉しなかったはずだ。後ろのCherokeeはそうだったかもしれないが、『2機のCherokee』とは何事だ!」と逆に言い返していたそうです。自分が悪くない時ははっきりと否定するのが大切ですね。さすが教官です。

その「後ろのCherokee」に乗っていたのはSkylineの訓練生2人(共にprivate)でしたが、後で話を聞いてみると、なんでもfireのヘリコプターのダウンドラフトを受けるくらい(!)近寄っちゃったとかで、それはそれで要反省ですね(^^;)。我々の機体の後ろでゴーアラウンドしたのは、それは特に我々のせいではなく、単に我々に近づき過ぎたから、ということのようです。

ブリーフィングでは「IFRクリアランスの取り方はOKです。但し、最後にRNMまで帰って来るということまでちゃんと要求するようにしましょう。ILSアプローチはあんな感じでOKです。ピッチでGSをつかまえておくってのがわかったと思います。GSよりも上に行った時、ピッチダウンするとエアスピードが速くなってしまっています。パワーを絞ってエアスピード一定になるようにしましょう。全般的にOKですが、アプローチの準備、各種ポイントでの『次の状況』の判断をもっと早くして、スムーズにできるようにしましょう。」を頂きました(^^;)。前回よりもずっと自分でできるようになっていますが、まだ教官が手を出すシチュエーションがあります。そうですね、例えて言うなら「private取っている時にタワー空港に訓練で行き始めている時期と同じくらい」いっぱいいっぱいというところでしょうか(^^;)? 早く慣れて「鼻くそほじりながら」できるようになるのが目標です(←なんじゃそれ)。

そういった意味ではですね、privateの時に同じフェーズのTKDさんと交互にリアシートでお互いの訓練を観察する、ってのはとーーーっても良い勉強だったなぁと思います。今思えばあれは、訓練を倍受けているようなものですからね。大変良い勉強になりました。今は私の他にinstrumentやっている人がいないので残念ながらそういう機会がありません。特にアプローチの手順だのATCだのはやっぱり「回数」だと思いますので、そういう機会が欲しいなぁとちょっぴり思います(^^;)。

次回は、同じくCRQでILSアプローチとLOCアプローチを、OKBでVORアプローチをやる予定です。更に大きく一歩前進できるようイメージトレーニングだ!

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