2000/05/09(火)

T/G・ファーストソロ

本日の朝も曇りがちな天気です。これもすぐに晴れるでしょう。

天気が回復するまでの間、昨日のプリソロ試験でできなかった部分のレビューを教官と行います。今回は1問を除き全部OKをもらいました。その1問もまた答え直して、これでプリソロ試験OKとなりました。

さて本日は午前中にフライトします。私の好きなT/Gです。今回はSkylineの卒業生の人(仮にBさん)が後ろに乗ります。Bさんは久しぶり(4ヶ月ぶり?)にこれから自分で飛ぶらしく、そのために一発フライトを眺めておこうということらしいです。この時Bさんにビデオをとってもらいました(^^;)。

Bさんは吸盤でくっつけて音(正確には磁力の漏れ)を拾うテレフォンピックアップのようなもの持っていて(なぜ!? (^^;))、それをヘッドセットの耳当てにくっつけて、機内の会話やラジオの音をビデオに収めてくれました。後で再生してみるとはっきりと音が入っていてびっくりです。

T/Gはもう問題ありません。ファイナルのセンター・エアスピードはびっしっと決まっています。スロットルの調整もうまくいきました。フレアもうまくいって、ほとんど振動もなくタッチダウンできました。ゴーアラウンドするような場面が無いので、教官の指示のもと意図的にゴーアラウンドしてみたりします。

また、途中教官による「はい、エンジンフェイリャー」攻撃にも対処できるようになりました(^^;)。

このフライトの後のブリーフィングで教官が「ではと、本日の午後3時からもう1フライトします。トラフィックパターンを1周して1回フルストップします。そこから再びR/W 27にタクシーバックし、T/Gを1回とフルストップを1回やります。これで問題なければソロに出ましょう。」…って、え? もう今日ソロなの? と、きょとんとしてしまいました。てっきりソロは明日かと思っていたので(^^;)。

自分のフライト時間まで昼食後2時間くらいあるのですが、この間の時間がなんともいえない妙な緊張感あふれる時間なんです。こんな緊張感は、自動二輪の限定解除試験で自分の番が来るのを待っている時以来でしょうか(^^;)? ふぅぅ。落ち着くこう。何があっても冷静に。…あー、落ち着かん!

この待ち時間にSeneca (双発機)を敷地内の整備工場に移動するとのことで、教官とKSMさんと機内に乗り込み、実際にタクシーさせてもらえることになりました。教官の指示のもとエンジンをかけさせてもらって、タクシーウェイに向かいます(この時は教官)。タクシーウェイでは実際に自分でタクシーしてみました。やっぱ大きな飛行機はタクシー時のラダーペダルが重いなぁと感じました。とても良い経験でした。

さてついに本日2フライト目に行きます。出発前のブリーフィングで教官と万一の時の対処について確認します。

  • エンジンフェイリャー時: 500ft AGL以下ならまっすぐ降りて不時着すること。それ以上なら通常のエマージェンシーランディングをすること。
  • ドアやエンジンカウルが開いた時: そのまま放っておいて、通常と同じく着陸すること。
  • エルロンがいかれた時: ラダーを用いて着陸すること。
  • エレベータがいかれた時: エレベータトリムとスロットルでピッチをコントロールして着陸すること。
  • ラダーがいかれた時: エルロンを用い着陸すること。機首の方向をコントロールできないのはしかたない。(ラダーが一番やっかいとのこと)
  • フラップが出ない時: ノーフラップランディングをすること。

なるほど。いざという時の対処方法をあらかじめ確認しておくことは大切ですね。

さて、ログブックに教官からソロフライトのendorsementをもらい、出発します。まずは教官と一緒にソロの時と同じことをやります。教官は一緒にいてくれるだけです。問題ありません。

ということで、R/Wからタクシーウェイに出たところでつひに教官が飛行機から降ります。ドアを閉めてと、バタン…。シーン…。ポツーン…。ひょえー、本当に一人ぼっちぢゃあーりませんか(^^;)。これは心細いなぁと思いながらタクシーしてR/W 27に向かいます。

息を深く吸い込み、さぁ行くか! R/Wに入って、フルスロットル! Take off! …あー、本当に一人で飛び発ってしまいました。もう一人で降りるしかありません。かなり開き直っているせいか思ったほど緊張していません。いいぞいいぞ。

いつものようにトラフィックパターンを巡ります。前方を行くトラフィックも見えています。さて降りるかなと(^^;)。ベース、ファイナル、いいじゃない、エアスピード、アルティチュード、センターライン、よしよし安定しているぞ。スロットルを微調整して、よし、ここでクローズ。ゆっくりフレア、フレア、フレア…キュパッ! おぉぉ、問題ないじゃなーい。ほっとしてフルストップします。そのまま再びR/W 27にタクシーバックします。

再びTake off! アップウィンドで前方にトラフィックを確認します。なんか段々近づいているような…。ダウンウィンドでも近づきつつあるなぁと思っていると更に別のトラフィックを発見します。こいつは私よりも後にクロスウィンドに入ったのに私より内側のダウンウィンドの低空に入りやがったので(^^;)、こっちがダウンウィンドをエクステンドすることにします。

いつもと降下し始める位置が違いますが、まぁそのあたりは大体の感覚で降りていきます。問題ありません。ファイナル、スロットルクローズ、フレア、フレア…キュパッ! おぉいいですねぇ。フラップアーップ、フルスロットル! ローテーション! T/Gもキマりました。

トラフィックパターンではまたまた前方にトラフィックを確認します。あぁもう。仕方ないので、またダウンウィンドをエクステンドします。前方の飛行機に次いでファイナルアプローチします。スロットルクローズ、フレア、あっと、横に振られた、修正して、フレア、あ、ちょっと浮きすぎ? うーん、ゴーアランド! どうも前方のトラフィックが気になっていまいち着陸がキマりませんでした。

アップウィンドでまたまたトラフィックを確認します。こいつはかなり近いのでセパレーションを取りたいです。うーん、こいつ自分よりちょっぴり右側進んでいるなぁ。このままアップウィンドをエクステンドしているうちにぶつかっちゃまずいなぁ。というわけで、右に270度旋回して前方とセパレーションをとり、再びクロスウィンドにエントリすることにしました。でもこんなの訓練ではやっていないですが、このまま前方に追いついてしまうよりはましです(^^;)。

後で教官に確認したところ、こういう時は一旦トラフィックパターンを離れて、適当な所でぐるっと回って、いつもの訓練空域から戻ってくる時と同じように、再びダウンウィンドからエントリすれば良いそうです。な、なーるほど。

ダウンウィンドを進むと更にまたトラフィックを確認します。あぁ、なんでこんな時に限ってこんなに混んでいるんだろう? 仕方ないのでダウンウィンドをずーっとエクステンドして、ロングファイナルからアプローチします。おぉ、なんかR/Wが遠い! ゆーっくり下りてくるといつものファイナルっぽい場所にきます。あぁ安心です。あとはいつもと同じように降りるだけです。

エアスピード、アルティテュード、センターライン、スロットルクローズ、フレア、フレア…キュパッ! いいですねぇ、またまたうまく行きました。

タクシーウェイに出て、Skylineのエプロンに戻ります。ふぅぅ、良かった。

辺りをさりげなく見回すと、教官やKSMさんの姿が見えません。あ、きっとあの外にある水道あたりに潜んでいるんだな? TNGさんの時はこっちがかける側だったので、もうその辺の事情はわかっちゃっているからなぁ(^^;)、ブリーフィングをやって、記念撮影でもしたら、ぶっかけられるのかな? とか思いつつ、ブリーフィングに向かうためにSkylineの事務所のドアを開けると…

バシャッ! バシャバシャ!

う…うーん、そうきたか…(^^)。教官とKSMさんにごみ箱で水をぶっかけられました。全身ずぶ濡れです。服を着たままずぶ濡れになるのは、ひょっとして小学校時代以来かもしれません(^^;)。あはは、なかなか良いものですね。あー、何かすっきりした感じです。ジワリとファーストソロ達成の喜びが沸き上がってきます。「本当に自分は一人で飛んできたんだよなぁ」と。

少し服を乾かそうと、Pilots Loungeで一服していると、空港のメンテをやっている会社(Chuck Hall Aviation)のにいちゃんが通りかかり、

にいちゃん: (Smiling) Your clothes are wet! What’s the matter?
: It was my first solo flight.
にいちゃん: Wow! Congratulations!

みんな「ファーストソロ = ぶっかけ」ということを文化として知っているのですね。

というわけでファーストソロが無事に終わりました。ログブックには初のpilot in command (ソロを含む) 42分が記録されました。Ramonaに来てから13.1hのフライト後、12日目の出来事でした。この思い出は一生忘れない貴重なものになるでしょう。

↑ Private Pilot編(1) ← 前のレポート 次のレポート →